結露・寒さは高断熱&パッシブ換気で解決/小樽・N邸

小樽市のNさんご夫妻は、以前住んでいた家で寒さと結露に悩まされました。暖かく省エネで、室内空気環境も良い家に住みたいということで、当社のパッシブ換気システムに注目していただきました。まずN邸を参考にパッシブ換気システムの概要をお伝えします。

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パッシブ換気システムはこの地中埋設管(アースチューブ)から空気を取り入れます。地熱は5~8℃と一年を通じて温度変化が少ないので、地下部分を通過する間に、その空気は夏は冷やされ、冬は暖められます。地熱という自然エネルギーで、冷暖房に使うエネルギーを削減できるわけです。

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床下に入った空気は床下に設置された暖房機で暖め、室内各所に設置された換気用ガラリから室内に供給されます。そのため、換気で入ってくる空気は快適な温度に調整済みです。また室内に暖房機を設置する必要もないので室内を広く使える、やけどや火災のリスクも減ります。

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この写真は2階のフリースペースです。天井に設置された白い排気口に注目してください。床下から1階、2階へと上昇してきた空気が、最終的にこの家の一番高い部分にある排気口にたどりつき、ここから屋外に排出されるのです。

works_n_04.jpg屋根の一番高いところに設置されている排気筒。ここから室内の汚れた空気が排出されます。

なおこの家の断熱性能は、
壁が内側にロックウール105ミリ、
外側にウレタン80ミリの複合断熱。
窓はトリプルサッシを採用する高断熱仕様で、
気密性能も測定の結果、 C値(相当隙間面積)が0.2cm2/m2
Q値(熱損失係数)が1.0W/m2K
UA値(外皮平均熱貫流率)が0.25W/m2K
と高い水準を確保しています。

家づくりのきっかけは?

Nさん 以前の家で寒さや結露に悩まされていたため、親の介護や子どもたちとの同居が必要なタイミングでもあったので新築を決意しました。断熱・気密・換気などの仕組みを調べていくうちに、パッシブ換気システムに興味を持ち、パッシブシステム研究会の副理事長をしている江田建設にご相談したわけです。他にもハウスメーカーなどに相談しましたが、こちらの細かな要望に応えてくれない面がありました。その点でも江田建設さんはこちらの要望を詳しく聞いて叶えてくれました。住宅の基本性能に関わる部分で江田建設はしっかりしている、間取りやデザイン、無垢の床材など自然素材の活用、価格面などいろいろな部分で打合せをさせてもらい、その対応に納得できたのも大きかったと思います。

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建物の形状はコスト面でも合理的な総2階をベースにしたものの、
エントランス廻りはタイルや石、木の質感のある建材で高級感を演出している

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郵便受けも断熱・気密性能が高い仕様になっています

プランニングへの要望は?

Nさん キッチンや玄関などを一緒に使う完全同居型の2世帯住宅だったので、江田建設さんとの打合せも私だけでなく妻や娘も参加して週1ペースくらいで行いました。

要望は例えば...

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リビング併設の和室を設け、座りやすいように掘りごたつも設置する

works_n_08.jpg収納を適材適所で多めに確保したり、壁の一部をR形状にしてやわらかい雰囲気にする

works_n_09.jpg玄関ホールからリビングにつながるドアも天井までのハイドアにすることで開放感を高める

works_n_10.jpg2階にミニキッチンや造作の神棚を設置

works_n_11.jpgリビングの床は無垢の床材を採用

works_n_12.jpgログハウスっぽい雰囲気が好きなので2階の天井は梁や木材を現しにして木の質感を高める

works_n_13.jpg食品庫を設置するなどキッチン廻りの収納力を高める

works_n_14.jpg外壁は年数が経過しても汚れが目立たない色で、質感が気に入った塗り壁を採用する


断熱性能を高めるためにトリプルサッシを選択

傾斜地でも土地を効率良く活用できる基礎工事


など住み心地などを踏まえて要望はたくさん伝えました。

2年暮らしての住み心地は?

Nさん 脱衣所や玄関、2階など家のどこに居ても寒い空間がないし、結露などの悩みも全くありません。トリプルサッシを採用したので窓廻りも冷気を感じません。

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室内に暖房機がないので、暖房機の掃除が必要ないし、壁際に設置物がなく、室内がすっきりするし、家具などを置きやすいのも良かったですね。 パッシブ換気に加え、水回りは別途第三種換気も導入しているので、愛犬がいるのに臭いなどの悩みもありませんし住み心地は快適です。

この家は2世帯住宅ですし、小さな子どももいるので光熱費は、普通の家の倍近く掛かるのでは無いかと心配していましたが、一年間でトータル約25万円位でした。

表:N邸の一年間の光熱費

2世帯住宅とは思えない光熱費で喜んでいます。

最後に一言

Nさん 2018年9月6日に北海道を襲った大停電では、我が家も停電になりましたが、パッシブ換気は停電でも稼働しました。食品庫などキッチン廻りに豊富な収納スペースがあるため、停電時に、慌てて食品の買い出しに行く必要もありませんでした。

家を建てて何年経っても江田建設さんには相談の電話もしやすいですし、逆に私も光熱費のデータなどを提供し、江田建設の家づくりの検証などに活かしてもらったりと、良い関係でいられるのが安心です。

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